「パワー・オブ・キス」

何もない。
僕はたった一人だ。

たった一人で生き、たった一人で死ぬ。

もう疲れたよ。

今から、僕は死ぬ。

悔いはあり過ぎるけど、もうこのまま生きているのがつら過ぎる。

あと2分後、
僕はこの高いビルの屋上から真っ逆さまに飛び降り、この世から存在がなくなる。

遺書を書こうと思ったが、向ける人がいない。
好きな人も。両親も。兄弟も。友達も。
僕には何もない。誰もいない。

さあ、いこう。

「ちょっと待ってーーーーーー!」

え?

だれ?

「ハアッハアッハアッ…村上くん!待って!」

なんで、三好さんが。
たまたま…?

「何やってるの!勝手に死のうなんて思わないで!!」

勝手?
何を言ってるんだ…

僕となんかほとんど話したことなんてないのに。

「お願いだから死なないで!何が不満なの?私にできることなら何でもするから!」

キスしてください。

「は?死ね」

ピューーーーーーーー

僕は死んだ。

死んだ僕に彼女はそっとキスをした。

僕は復活した。

パワー・オブ・キス。

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