テレビの向こう。
男性が深刻な顔で我々に向けて話している。
どうやら今日、世界が崩壊するようだ。
今から、僕の最愛の女性かおるさんが家にやって来る。
ニュースを見たかおるさんが今すぐ会いたいと言ってくれたのだ。
本当に今日で世界が終わるなら、
この最後の日を、僕はどう過ごすのが正しいのか。
ピンポーン
かおるさんがやって来た。
僕はかおるさんと最後を過ごす。
のか?
本当にそれでいいのか?
もうやり残したことはないのか?
かおるさんと一緒に過ごせば、自分で思ったように行動できなくなる。
そして、僕はかおるさんのことを愛しているが、かおるさんともうやり残していることはない。
たくさんの同じ時間を過ごし、たくさん愛し合った。
最後にそういった日が1日増えることで、何も変わらない。
僕はかおるさんと会ってはいけない。
ピンポーン
出ない。
出ないぞ。
じゃあ、他に何をしよう。
やり残したこと。やり残したこと。
そうだ。
あれだ。
僕は勢いよくドアを開け、引き留めるかおるさんの腕を振り切り、街へ飛び出した。
ブチューー
ブッチューーーー
ブチュブチュブチュチュチュチューーーーー
僕は、そこら中の女に問答無用にキスをしまくった。
美女。美少女。人妻。女子高生。女子中学生。幼女。中年女性。高齢女性。ばばあ。
何人しただろう。
普通だったらあっという間に捕まってしまうが、
今日は何をしても取り締まる人間なんて一人もいない。
他のみんなもやりたい放題だ。
最高だ、最高の日だよ。
これでもう死んでも悔いはない。
「たかしくん!」
かおるさん…
「何してるの? 何で私から逃げるの?」
そ、それは・・・
お前が、お前のことが好きだからだよ!
「たかしくん・・嬉しい」
かおる、結婚しよう。
「え?だって今日で世界終わっちゃうじゃん…!」
かおる、関係ないよ。
僕たちは結婚するんだ。
もしこの世がなくなっても、あの世で二人で一緒に暮らそう。
「うん!あの世でもずっと愛してるよ、たかしくん」
ああ、俺たちの愛は、永久に不滅だな。
「ふふ。笑 長島さんだね!」
そう、長島さん。笑 よく知ってるね。
「え??あーーーーー!!長島さん!!!!本物いる!!本物!!!!!!」
え??
スタタタタタタタタタ
「長島さ~~~ん、キスしてくださ~~~~~い」
「ああ、いいとも!」
おい、かおる!
ずるいぞ!!
俺も~~~~~~ 長島さ~~~~~ん
ブチューーーーーーー!
そして世界は終わった。
今、僕とかおると長島さんは、あの世で仲良く暮らしている。
子供もできた。
3人の子供だ。
僕たちは、死んでも幸せだ。
僕たちの幸せは、永久に不滅だ。
決めたぜ、逆転サヨナラ満塁ホームラン。