急げ

 

今日は、短期で募集していた看板作りのアルバイトに申し込んでみた。

 

しかし、また締め切られていた。

 

もっと早く行動しなくては。

現状では、短期のアルバイトをたくさんやってみたいと思っている。
本当にやりたい仕事でなければ、途中で飽きてしまう恐れがあると思ったから。

そして、いろいろなことを体験してみたい。

もうオジサン目前だが、まだ落ち着いてなるものか。

 

アルバイトに応募して29歳という年齢を言う度に、
「うっ」と、一瞬心が痛む。

しかし、「30歳」という響きに比べたら、 だいぶマシである。

一年後も同じ状態であったら、精神的にかなり厳しい戦いになるだろう。

でも負けない。

響きなんかに負けない。

 

しかし、ダラダラしていてはダメだ。

 

結局、今日も特に何もしていない。

 

人生は驚くほど短い。

無駄な時間など、過ごしている暇はない。

 

分かっている。

分かっているのに、繰り返してしまう。

 

これでは、引き籠りのニートと同じだ。

 

いや、引き籠りのニートだった。

 

今日も、ゴミ出し以外に家を出ていない。

 

急がなければ。

 

急げ。

 

急げ。

 

急げ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、ゴミを出しに家を出ると、辺りは雲だらけだった。

 

正しくは、霧(きり)や靄(もや)というのかもしれないが、
僕の目で見る限り、それは明らかに雲であった。

 

朝7時を回り太陽が昇ってくると、それらは姿を消す。

大体、雲が現れるのは、朝6時から7時の1時間。

ごくたまにこの状態になるのだが、今日のは特にすごかった。
恐らく冬は、毎日のようにこの状態になるのだろう。

 

この時間の外は、本当に心地がよい。

 

今日も一日生きていこうか。

という気分になる。

 

しかし、僕は今から寝る。

 

またいつの間にか、生活が逆転してしまっている。

ここ最近、のらりくらりと生きてしまっているからだ。

 

これはいけないと、飲食店に導かれていないのだと悟った僕は、
昨日、 カメラマンのアシスタントのバイトに応募してみた。

しかし、それも既に締め切られていた。

 

こうして、どんどんと追い詰められていく。

 

 

しかし、ここからが面白い。

 

自分でどうにかしなければ生きていけないこの状況。

この状況を、存分に楽しんでいく。

 

追いつめられることは、なかなか意図しては成し得ない。

「追い詰められてたまるものか」という意志に反すことによって、
人は追い詰められていく。

 

さあ、もっと足掻こう。

 

何をやってもいいのだ。

 

 

人生は、何をやってもいい。

 

 

僕は、何のバイトをしてもいい。

 

 

何だか、いろいろなことを経験してみたくなってきた。

 

起きたらまた、何かに応募しよう。

 

 

 

僕は今、雲の中にいる。

 

 

 

 

「雨」

 

ザー

雨・・・だね。

そう・・・だね。

傘・・・持ってる?

傘・・・持ってない。

私のこと・・・好き?

好き・・・だよ。

どのくらい・・・好き。

世界一・・・好きだよ。

じゃあ世界二は・・・誰?

世界二は・・・元カノだよ。

世界一と世界二の差は・・・どのくらい?

この雨の・・・数ぐらい。

1、2、3・・・数え切れないね。

数え切れないくらい差があるって・・・ことだよ。

私・・・嬉しい。

そっか、そりゃあ・・・よかった。

お腹・・・空いたね。

そばでも食いに・・・行こっか。

そ・・・ば?

そ・・・ば。

 

「アレックス」

なあ、アレックス。
どうだい?日本は。

アレ「イマイチ、ヨクワカラン。」

何がだい?何がよく分からないんだい?

アレ「ロウジンとロウニンのクベツがツカナイダヨ。」

はっはっはっは(笑)
アレックス、簡単だよそれは。
ロウジンは、ジジイとババアのことで、
ロウニンは、メガネとパンツインのことだよ。
ちなみに、ロウニンギョウっていうのもあるけど、それは覚えなくても生きていけるから大丈夫。

アレ「ロウニンギョウ・・・?」

あ、だから、ロウニンギョウは覚えても使う機会ないから、覚えなくていいんだよ。

アレ「ロウニンギョウ・・・!?」

おや?気に入っちゃったのかい?

アレ「イエース!」

うーん、仕方ないなあ…(笑)
ロウニンギョウっていうのはね、…人間の果ての姿だよ。

アレ「オ~、ナルホド…! ツマリ、イマカラオマエガナルヤツダナ!」

こうして私は、蝋人形になった。

蝋人形作家アレックスの、処女作である。