「ビルから落ちている間」

 

ある日、僕はビルから落ちていた。

いつからだろうか。
運がなくなったのは。

遠足のときは森で迷ってクマに襲われるし、
落ちている犬のフンは毎日のように踏んでしまう。

かなりの速さだ。
気付くともう17階から4階まで落ちている。

悔しい。。
結婚もしないまま、
このまま死んでいくのか。

サラリーマン三年目にして、
死亡。

すぐにみんなの記憶からもなくなるだろう。
世界で今日、何人の人が死んだのだろうか。
そのうちの一人だ、僕は。

助けはきっと来ない。
地上にこのまま落ちていくのみ。
つまり死ぬ。

手紙でも残しておけばよかった。
父さんともっと分かり合いたかった。
何故、僕が。。

人間はたくさんいるじゃないか。
ヌクヌクと何の目的もないまま生きてるやつがたくさんいるじゃないか。

ねえ、母さん。
喉から手が出るほど命が惜しいよ。
半分もまだ生きてないよ。

ヒーローになりたかったんだ。

普通の人生で終わりたくないよ!

平凡すぎるよ、こんな人生!
本当に!

 

まあ、いいか。

未来なんて、
無に等しかったから。

面倒くさいし。

もう、いいや。

 

やっぱ、嫌だ!!
夢だ!これはきっと夢だ!
よくあるぞ、このパターン!
ラストで絶対目が覚める。

理解できないもんなやっぱ。
ルール無用すぎる。

冷静になれ。

 

ロックミュージックが頭の中で流れるなか、

私は死んだ。

 

ヲタクが僕の死体を見下ろし、こう言った。

 

「んじゃ」

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です