「音楽は破壊した」

 
今日も君はいつものように笑っている。

「何故、笑っているんだい?」

僕は尋ねた。
君は無言で僕にキスをした。

「何故君は、僕にキスをするんだい?」

君はそのとき無言で家を飛び出した。

 
僕は君を追いかけた。

そして、追い抜かした。

 
君は僕を追いかけた。
僕は逃げた。
どこまでも。
どこまでも。
誰もいないところへ。

誰も追ってこないところへ。

 
でも、そんな場所は地球上に存在していなかった。
地球上のどんな場所にいようと、
誰かが僕を追ってくる。
何かが僕を追ってくる。

僕は誰からも逃れられない。
何からも逃れられない。

 

諦めた僕は腰をおろし、音楽を奏でた。

そして音楽は破壊した。

 

 

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