今から15年前。
高校に入学したての5月。
学校のすぐ側に、ある女子校があった。
その女子校とは最寄り駅が同じで、
毎日、そこの女子生徒たちと顔を合わせていた。
とある日の学校帰り、僕はできたばかりの友人たちと原宿を練り歩いていた。
すると、見慣れた制服の女子たちが目に入る。
「あー、○○校じゃん。いえーい。どうもどうも。」
そんな風にふざけて声をかけながら、僕らはその女子たちとすれ違う。
その日、友人たちと何をしたかは覚えていないが、
というか当時は特に目的もないまま
街へ繰り出してはダラダラと日々を過ごしていたので、
その日も恐らく特に何もしないまま夜になり、
僕らは駅のホームへと向かっていった。
そこに、さっきすれ違った女子たちのうちの一人が、
ポツンと立っているのを見つける。
確か、僕らは7人ぐらいだっただろうか。
男は、自分たちが多勢だと、調子に乗る。
みるみるうちにその女子を囲み込み、多方向から攻め立てる。
聴くところによると、その子は、僕らより一つ年上だった。
僕のその子への第一印象は、
「かわいい」でも「きれい」でも「ときめいた」でも何でもなく、
「すげえなこいつ」、だった。
電車内で7人の男に囲まれながらも、全く物怖じせず、
「何だよおめーら、うるせえなぁ」的な感じで鼻で笑いながら、
僕らを子供扱いするかのように対処していくその姿は今でも忘れられない。
僕は、たった一瞬でこの人間にものすごい興味を持ち、
気付くと僕らは、あっという間に付き合うことになっていた。
そしてあっという間に一ヶ月で別れを告げられ、
僕らはあっという間に恋人ではなくなった。
それから15年。
僕らは仲良しという訳ではないが、ごくたまに連絡を取り合ったり、
ごくごくたまに会ったりもしながら、何だかんだで15年関係を続けている。
もしもあの日、僕らの帰る時間が3分遅かったら
原宿であの道を通らなかったら
駅のホームに逆の階段から上っていたら
人と人との出会いなんてほとんどが偶然だけれど、
それでもその「もし」があったら、その「もし」がなかったら、
この15年は、0だった。
とかそんなことを思い返しながら、
逗子に住む、15年前の彼女の写真を撮りにいってきた。
彼女はいつまで経っても年上で、
いつまで経っても追いつけない。
あれから15年。
僕は、彼女のことを一度たりとも追い越したことはない。
他の人にはいつか追いつける気もするけど、
彼女にだけは一生追いつけない。
ずっと前にいて、ずっと上。
でも、お互い30を超え、久々に会って話をしてみたら、
何だかちょっとだけ同じようなことを考えていたりして、
少し嬉しかった。
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