あゆみが30歳になった。
もう5年は会っていない。
今、彼女が何をしているのか、
どこにいるのか、
そして誰といるのか、
僕は何も知らない。
8年ほど前に別れ、
そこから会ったのはたった一度。
結婚をしてるかもしれないし、
子供もいるかもしれないし、
独身かもしれないし、
日本にいないかもしれない。
誰よりも知っていた人を、
今は誰よりも知らない。
別れてから、何度も後悔したし、
人生で一番苦しんだし、
半分引きこもりみたいになったし、
ずっとずっと忘れられなかった。
たった一度だけ連絡がきたとき、
僕は涙を流した。
それから5年、僕は一度も泣いていない。
そして僕は今、恋愛を卒業した。
自分は恋愛には向いていない。
誰も幸せにできる自信がない。
付き合うということには意味がない。
自分以外の人のことを考える余裕がない。
恋愛は疲れる。苦しい。難しい。面倒くさい。
全ての面において、恋愛をする余裕が全くない。
恋愛よりも大事なことがある。
あゆみよりも愛することのできる人はもういない。
そんな考えに至るようになり、
「この子、いいかも」と思ってしまうことがあっても、
無理矢理自分を押さえ込むようになった。
最近になり、ようやく彼女のことも考えないようになった。
でも、誕生日だったり、ふとしたときに思い出してしまう。
今、何をしてるんだろう。
何を思っているんだろう。
多分、彼女の中に、僕はもういない。
でも僕の中の彼女は、いつまで経っても消えない。
いや、消す必要もない。
そもそも別れって何だ。
付き合うから、別れがある。
ならば付き合わなければいい。
僕は彼女と付き合わなければ良かったのか?
そうすれば、今でも彼女との関係は続いていたのだろうか。
人間は、付き合い、別れを繰り返す。
一番近くにいた人が、一番遠い人になる。
一番知っていた人が、一番知らない人になる。
一番好きだった人を、一番嫌いになったりもする。
付き合うな。
付き合うとは、負のループだ。
人を愛しすぎるな。
愛した分だけ、苦しみがでかくなる。
現状、こんな考えに至ってしまっている。
果たしてこの考えは正しいのだろうか。
何だか書いてて、自分が可哀想な人間に思えてきたりもする。
結婚した皆さん、おめでとう。
結婚できるほどの相手と巡り会えたことは、本当に素晴らしいと思います。
あゆみも、もし結婚しているならおめでとう。
でももしかして、本当にその事実を知ったとき、
僕は久しぶりに涙を流すかもしれません。
何の涙かは、分からないけど。
そんなことより30歳おめでとう。
今、僕が知っている事実は、
昨日、あゆみが誕生日を迎えたことだけです。
俺は元気です。
元気に生きてます。