時との刻み合い

 

昨日、僕は、時に戦いを挑んだ。

 

時は、問答無用に刻んでくる。
僕も現在、自己を日々刻んでいる。

しかし、どうしても、時の刻みには勝てない。
時はさぼらないから。
人間はさぼる。甘えるし、逃げるし、守るし、妥協するし、びびる。

時は、強い。

こっちに来てから、日々、時に負け続けている。
「今日も、あっという間だった。」「もう、夜か。」「げ、今日、何もしていない。。」
そんなのばかりだ。

 

まず朝、時に勝負を挑んだ。
この町のゴミ出しは、8時半がリミットだ。
近頃は9時10時までダラダラ寝てしまうことも多く、何度も出すのを逃していた。
しかし間に合った。ギリギリだが。
まず、一勝。

そして、トイレにいき、シャワーを浴び、皿を洗い、歯を磨いた。
この時点で、9時半。
朝食をスーパーまつばへ買いに行こうと思っていたのだが、
スーパーまつばは10時からだ。
まだ開店前。
二勝。

しかし、買い物をし、バナナをつぶしてピーナッツバターと共にパンに挟み、
バターをしいてフライパンで焼いて食べていたら、
時は、11時半を刻んでいた。
時が追い込んできた。

ここで僕もスイッチを入れた。
全ての行動を倍速で動く。

午前と午後が入れ替わる前に、 昨日書いた、「-を+にする」実験を始めた。
ここでも僕は倍速だ。
まず、-の言葉をこれでもかと並べ、 そこから怒涛の勢いで、+に変えていく。
迷っている暇はない。 1つ5秒くらいの速度で頭の中から言葉を探し出し、
-の言葉を使ったうえで+の意味に変えていく。
内容は分からないが、速度では時に勝っていたと思う。
三勝一敗。

そしてここから、マンガを描き始めた。
詳しくは、また別で書こうと思うが、家に出現するムカデからの恐怖を断ち切るために、 以前からダラダラと描いていたマンガ、『ムカデちゃん』。
これまで30ページくらいだったのに、怒涛の勢いで、 45ページまで描き切り、完結させた。
多少、時間はかかってしまったが、今までと比較したら、時には勝っていたと思う。
四勝一敗。

そして気付けば、午後8時。
画を描こうと思った。
ここで僕は、最後の戦いを時に挑んだ。
twitterで、画のタイトルを募集させてもらい、タイトルを見た瞬間からどのくらいの速度で画を完成させられるか、挑戦した。

 

一作目、『生後5年のトカゲ』(約23分)

『生後5年のトカゲ』

 

 

二作目、『羽根の抜かれた赤トンボ』(約20分)

『羽根の抜かれた赤トンボ』

 

三作目、『雨ふり』(約1時間)

『雨ふり』

 

『雨ふり』の途中に、電話がきた。
一度、二度目まで無視を試みたが、三度目がきて、僕の右手は筆を置いた。
かけてきた相手は、僕が時と戦っていることなど知るはずがない。
そして、時と戦っていることを説明しても、なかなか伝わらないだろう。
内容は、確かに急用だった。

完全に、時に負けた。

 

時は、誰にも何にも邪魔されない。
僕ら人間には、いくらでも邪魔が入り込んでくる。
なるべく邪魔をなくすため、娯楽や人のいないところに移り住んできたのだが、
それでも全てをなくすことは、人間にはできない。

総合的には、四勝二敗で勝ち越したが、
この事実がある限り、いつまで経ってもきっと時には勝てない。

 

そして今日は何もしていない。

 

もうすぐ、今日が終わる。

 

 

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