2022

2022年が終わる。
そして台湾にいる。

台湾に住んでいる。

気づけば2ヶ月が経っていた。

2021年9月頃、家の契約更新タイミング。
渋谷に住み8年が経っていたことに気付き、何故かものすごいショックを覚えた。
8年もずっと同じところに住んでいたのか。
なんてつまらないんだ。もうやめよう。
でも住みたいところも特にないし、これからどうなるか全く分からないし、もう家いらないか!

ということで、家をなくした。

そもそも住民票を今まで実家から移したことがなかったので、特に問題もなく、Air-bnbで暮らし始める。

2021年12月、会社を辞めた。

その後、1つお話をもらって1ヶ月半ハワイに滞在した後、同じAirbに戻る。
いったんAirbでという気持ちだったが、ここがまたとても素晴らしく居着いてしまった。
半分ホテルみたいなところで共用のキッチンもあり、色んな人とも出会った。

毎日ご機嫌なItalian、ぶっ飛んでるChinese、海外から騙されたお金を取り返しに舞戻ってきたJapanese、全身タトゥーだらけで家族のように心配をしてくれる管理人、そんな愉快な仲間たちと愉快な半年間を過ごした。

毎日のようにみんなで料理を作り、一緒に食べ、遊び、出かけ、パーティーをし、たまにちょろちょろ単発で働きながら、失業保険をもらいながら、先のことなどほとんど考えずお金を減らしつつ、楽しく日々を過ごしていた。

「楽しい」なんて、とうの昔に捨てたはずだったのに、この年になって「楽しい」ということの素晴らしさを知った。かけがえのない時間。

半年が経ち、Italianは母国に帰り、Chineseは大学院の試験が始まり、「楽しい」は終わりを告げた。

さあ、どうする。

0になったときに考えたことは、やっぱり死ぬときのことだった。

死ぬときに、後悔をしないようにしたい。
後悔を残したまま死ぬことは、多分何よりも辛いことだと思う。

そうならないように、一度きりの人生。
このご時世、いつ死ぬかも分からない。

もっと自由に。

やり残したこと。
パッと浮かんだのは、2つだった。

1つ目、台湾に住むこと。

2つ目、いつか子供がほしい。

2つ目は、まだできない。
相手どうこうもあるが、まず、自分の人生に一区切りをつけないと。

じゃあ、1つ目だ。
一刻も早く。住もう。

職を探した。

中国語はいつまで経ってもなかなか上達しない。
中国語が必要のない仕事。
見つかった。

もう、今までとは全くもって違う仕事。
まさか自分がやるとは思ってもいなかった仕事。
でもよくよく考えると、小学生か中学生の頃、一度だけ考えたことがあった。

きっかけは、とある台湾人のひとこと。
「向いてると思います!」

その言葉を鵜呑みにした訳ではないけど、
何故か考えもしなかったことが、ありかも、に変わった。
理由はよく分かっていないが、導かれている気がした。

そこから職を探し、割と早く決まった。

台湾に住みたい理由はまだ自分でもわかっていないけれど、
それを確かめに、何故自分が台湾に惹かれているかを確かめるためにも、住むことにした。
一つあるとすれば、台湾人と共に生きていきたい、ということかもしれない。

ずっと生きづらかった。
日本。

生きやすいように、自分が生きやすくなるように、仕事でも頑張った。
でも変わらなかった。
変えられなかった。

じゃあ自分が変えるんじゃない、自分を変えてしまおう。
どうすれば変わるか。

生きやすい場所で生きよう。

台湾に来て、2ヶ月が経った。

生きやすい。

人生で始めての感覚。
この2ヶ月間、一切イライラしていない。ストレスがない。
イライラしている人も0とは言わないが、ほぼ見ない。
そもそも感覚が違っている。

歩いていると、人にぶつかることがある。
大体の日本人は謝るか、イラッとするかの二択だ。

台湾人は違う。
特に謝らない。

ぶつかることがそもそも悪いと思っていないのだ。
人間、歩いてたらそりゃぶつかるっしょ、みたいな。
いちいち謝らなくていいよ。ぶつかるぶつかる。
空気のような感覚なのだ。

しかし一方で、謝謝はよく使う。
エレベーターで乗ってくるのをドアを開けて中で少し待っていると謝謝と言って入ってくる。日本人はすみませんと謝って入ってくる。

人と車は完全に対等だ。
信号がない横断歩道では、お互いバランスをとりながらここぞというタイミングで交差する。
電車内では皆大きな声で電話をし、同性同士が豪快にイチャつくが、誰もそれを気にも留めない。
割り込みなんてする人はおらず、急いで歩く人も少なく、偽物の笑顔は見ない。

この台湾人の感覚が、すごくしっくりくるのだ。

生きづらい理由は、しっくりこないことが多すぎたのかもしれない。
納得いかないこと、イライラしている人間が多すぎること、偽物の言葉。
分からなすぎる本心。裏の裏の裏の裏。
裏はもういい。
表の世界。

とはいえ、まだ2ヶ月。
これからどんどん悪いところも見えてくるのかもしれない。

だいぶ生活には慣れてきた。
金はない。
食は美味い。
物価は上がってきているが、それでも日本よりは若干安い。
給料は1/3以下。
部屋は寒い。
仕事は結構慣れてきた。
忙しいが、以前の比ではない。

さあ、2023年。

人生を区切るとしたら、第四章。

台湾編。

始まりました。